周りの人から見れば、何の価値も無かったりや不要にしか思えない物。
今となっては古くて使えなかったり壊れてしまっていたりする物。
そんなものでも、自分にとって見ればとても大切で捨てられずにずっと持っている物・・・
そういう物ってありますか?
私はあります。
その中の一つが、我が家のもう一つのMAMIYA。
昭和39年発売ですので、私より1年後輩です。
小学生くらいの頃には、実家の洋服ダンスの中にあって、引っ張り出しては写真を撮る真似をして遊んでいました。
父親がこのカメラを使っている記憶は無いのですが、私の赤ん坊の頃の写真はこのカメラで撮っていたんでしょうね。
父親が亡くなった時に、このカメラは私が引き取りました。
引き取った時には、レンズにカビが生えていたりと使える状態では無かったので、そのまま本棚に飾っていました。
ある時、カメラを眺めていたらレンズ部分は比較的簡単に分解できることが分かり、復活させてみようと作業を開始しました。
レンズのカビを除去し、動かなかった露出計を直して試し撮りをしてみると。
思っていたより綺麗に写ります。
そこで、もう少ししっかりと直そうと修理を始めました。
絞りのリングを動かした時、感触が悪くかつ露出計の針が安定しないため露出を決めづらかったので、分解して自分なりに直したつもりでした。
組み終わって、絞りリングを回すとゴリゴリとした感触でまともに動きません。
金属が削れている感触です。
分解してみるとアルミ製のリングを支えているステンレス製のスプリングが、アルミを削っていました。
自分の知識の無さやおごりが災いして、状態を悪化させる結果になってしまいました。
直ったら、父親の墓前に「ほら、このカメラ使えるようになったよ」と報告したかったのですが・・・
これ以上は、自分の技術や知識では直す事が出来ず、自分なりに調べたり人に相談してみても有効な解決策が無く、途方に暮れたまま数年が過ぎていました。
その時、金属の深絞り職人のお客様が車検で来社されました。
金属の深絞りは、金型やプレス等では作れないような部品を作ってしまうものすごい技術が必要になります。
そんな金属加工のプロに相談してみた所、「難しい仕事だけどやってみるよ」と快く引き受けてくれる事になりました。
現在は、お客様からの指示で材料を調達している所ですが、7月中旬には着手してもらえそうです。
復活に希望が見えてきました。
これで、父親への報告が出来そうです。
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